- かんたん
- I
かんたん【寒胆】恐ろしさにきもが冷えること。II
「其顔色奇偉にして一見~すべきものなり/竜動鬼談(勤)」
かんたん【感嘆・感歎】(1)感心してほめたたえること。「あの熱意には~する」「~おくあたわず」
(2)なげき悲しむこと。 [日葡]IIIかんたん【簡単・簡短】(1)物事が単純で, 理解や扱いが容易であるさま。「~な機械」「~な問題」「~明瞭」
(2)時間や手数のかからないさま。 てがる。「昼食を~に済ます」「彼は~に承知してくれた」
〔幕末から用いられた語。 はじめは多く「簡短」が用いられた〕﹛派生﹜~さ(名)IVかんたん【肝胆】(1)肝(キモ)と胆(イ)。(2)心の中。 真心。~相照(アイテ)ら・す互いに心の底まで打ち明けて交わる。 きわめて親しくつきあう。「~・す仲」
~地(チ)に塗(マミ)る〔史記(淮陰侯伝)〕⇒ 肝脳(カンノウ)地(チ)に塗る~を傾(カタム)・ける心を開いて話す。 肝胆を披(ヒラ)く。~を砕(クダ)・く真心を尽くす。 一所懸命になってする。~を寒(サム)からしめるぞっとさせる。 恐れをいだかせる。Vかんたん【邯鄲】(1)中国, 河北省南部の都市。 綿花・落花生の集散地。 古来, 山東・山西を結ぶ交通の要衝に当たり交易が盛ん。 戦国時代には趙(チヨウ)の国都。 ハンタン。(2)能の一。 四番目物。 「邯鄲の夢」の故事を題材としたもの。(3)能の「邯鄲」に取材した常磐津(トキワズ)・長唄・一中(イツチユウ)・河東(カトウ)・地歌・箏曲(ソウキヨク)の曲名。~の歩(アユ)み〔燕(エン)の人が邯鄲の都に歩き方を習いに行ったが, 会得できないうちに自分の国の歩き方をも忘れ, はって帰ったという「荘子(秋水)」の故事から〕自分の本分を忘れて他人をまねるものは, 両方とも失うことのたとえ。~の枕(マクラ)⇒ 邯鄲(カンタン)の夢~の夢(ユメ)〔出世を望んで邯鄲に来た青年盧生(ロセイ)は, 栄華が思いのままになるという枕を道士から借りて仮寝をし, 栄枯盛衰の50年の人生を夢に見たが, 覚めれば注文した黄粱(コウリヨウ)の粥(カユ)がまだ炊き上がらぬ束の間の事であったという沈既済「枕中記」の故事より〕栄枯盛衰のはかないことのたとえ。 邯鄲の枕。 邯鄲夢の枕。 盧生の夢。 黄粱一炊の夢。 黄粱の夢。 一炊の夢。VIかんたん【邯鄲】カンタン科の昆虫。 体長13ミリメートル内外。 スズムシに似るが全身が淡黄緑色。 触角は長く前ばねは半透明, 後ろばねはたたむと前ばねの下から尾のように出る。 雄はルルルルと美しく鳴く。 日本と東アジアに分布。 ﹝季﹞秋。 《こときれてなほ~のうすみどり/富安風生》
Japanese explanatory dictionaries. 2013.